DAYDREAM

つまらないことを、つらつらと。

なぜかコミュニティカフェについて熱く語るの会

コミュニティカフェ」という言葉を見てしまったので、前にちょっと携わったことがありとても不信感を覚えた身として、

 

コミュニティカフェ、これができなければ辞めてくれ」

 

について書いてみます。
あら、私のくせに攻撃的。

 

ちなみに、コミュニティカフェとは、地域の人たちの溜まり場的役割や情報発信基地としての役割、井戸端会議の井戸端みたいな機能を果たす場所のことで、だいたいは簡単なコーヒーや紅茶や焼き菓子くらいは座っていただける感じの店になってます。
…それじゃない、という人もいるかもしれないけど、私はコミュニティカフェのキモは地域の色んな人達にとっての溜まり場機能だと信じて疑いません。

 

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1)利益を上げること

 

事業継続性は、コンセプトよりも下手をすると大事です。
コンセプトを大事にするとボランタリーなことしかできなくなるようなコミュニティカフェは、明日潰れるかもしれないので信用ができません。
ぶっちゃけ、街のド○ールの店長さんが常連に微笑みかけてくれる方が、利用者としてはよほどコミュニティのあるカフェとなります。

 

大事なことなので二度言います。「事業継続性」は「コンセプト」よりも大事です!なぜなら、潰れてしまってはコンセプトもクソもないから。
それに、一度居ついてくれた地域のお客さんを裏切ってはいけないから。

 

もう1つ突っ込むと、コンセプトとは何か?ということ。
「街の溜まり場になること、繋がりのない街の人々に交流をもたらすこと」がそもそもコミュニティカフェのコンセプトであって良いはず。
そこに「自然食の良さを啓蒙したい」「働くお母さんの情報交換に使うような場にしたい」「商店街振興のために使いたい」などなどというのは「上乗せ部分=それだけがメインコンセプトではない」、というのが重要です。

 

っていうか、ママの交流場が欲しければ「ママカフェ」とか作ってママと赤ちゃんだけが過ごせる場所に限定した方が、目的をスムーズに達成できます。
でもその場合、ママさん達と近所の子育ての終わったお節介おばさん達との情報交換などという、ママ達にはとっても有用な機能が抜けてしまいます。
お節介おばさん達は無料でバンバン子育ての極意を教えてくれる可能性があります。彼女達は子育てに自信があり、誰かに話したくて、人の役に立ちたい人達(であることが多い)のだから。

 

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2)利用者に利益をもたらすことができること

 

自己満足に陥っていないか、時々自分を突き放して観察できる人じゃないと、地域のため、社会のためと言いながら「自分たちが楽しければ良い、中心メンバー以外は手を出してはくれても口は出すな」とか「我々のコンセプトが全て正しいんだから興味のない人間は来るな」とかという方向に突き進んでしまうことが得てしてあります。

 

収益性と矛盾するような気がしてしまう人もいるかもしれませんが、利用者は納得できて人と繋がれる居心地の良い場所には、お茶代くらい喜んで払いますし、楽しそうなことをやっていれば参加しようかなってちょっとは思います。

 

一方、例えば私は汗かぶれを起こすのでベビーパウダー愛好家なのですが、ベビーパウダーなんて体に悪いものは絶対悪だから使ってるあなたはそれを知らない人、啓蒙しなくちゃと言い切る人もいます。

 

私はもしも気に入り始めたコミュニティカフェベビーパウダー撲滅を声高に訴え始めたらそこを利用しなくなるかもしれません。
でも、本来の目的である井戸端会議の場所という利用価値を残しておいてくれるのなら「あなたのそれには賛成しかねるけど邪魔もしないよ。それ以外のところで付き合おうよ」ってなると思います。

 

また「ママと赤ちゃんのための場所」では地域の人たちの溜まり場というには対象者が少なすぎます。
「ママと赤ちゃんを中心軸に据えるんだけど、近所のおじさんおばさんや赤ちゃんのお兄さんお姉さん世代、その他のフツーの街の人達がママと赤ちゃんを囲み、さらに各々勝手に交流して仲間になってるようなコミュニティカフェって素敵でしょ。
メニューも、離乳食があっても良いし、お年寄りのための美味しいとろみ食があっても良いし、中年が楽しめる味わい深いコーヒーなんてのもあったら嬉しいです。

 

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3)ある「うまくいってる」フツーの人が集まるフツーのコミュニティカフェ(フィクション)

 

居心地の良いところに居ついた人達は、色んなスキルを持ち合わせている可能性があるので、この方々の話を聞いてるだけで勝手にイベントの原型ができていくと思います。

 

だから、よほどコンセプトを強く打ち出したいのでなければ、祭りをやりたいなら利用者に祭りの計画から運営まで任せても良い気がします。

 

例えば、あるコミュニティカフェには、定年退職した元小学校の校長先生、ご主人に先立たれて肩を寄せ合うみたいに生きてる仲良し友達おばあちゃんズ、病気で仕事をドロップアウトして疲れ果てた目で好きなギターをぽろんと鳴らしている中年男性、お買い物帰りになんとなく足が向くと言って毎日遊びに来る専業主婦、お母さんにケーキを食べさせてもらうことを至上の喜びとしてやってくる専業主婦の息子(8歳)がいるとします。

 

このカフェでは、地域に引きこもりがちな赤ちゃんを抱えたママさん達に、地域交流の場に出てきてもらいたいと画策しています。
何ができると思います?

 

校長先生…赤ちゃんが少し大きくなった子供については、この人はエキスパートです。
また、イベントをやることには慣れていて、人を使うことも上手です。

 

仲良しおばあちゃんズ…子供を育てた経験があれば、ママ達のお母さん代わりに相談に乗ってあげられます。それに、ママ達にとって、世代の違う女友達ができる可能性があります。

 

病気のギター弾き…この人は社会からドロップアウトした無力感で辛い思いをしている可能性が高そうです。音楽の才も有りそうなので、子供達と音楽でコミュニケーションを取るなんてことができるかもしれません。子供は楽しませてくれる大人を好きになってくれますので、ギター弾きさんは子供から自尊心や愛される幸せをもらえるかもしれません。

 

専業主婦…この人は、赤ちゃんのママ達のちょっとだけ先輩の人です。

地域の教育情報や、ベビーカーでもが居られるお店、古着の交換サークルなどを知っているかもしれません。
それに、やはり世代が違う友達ができると、ママ達が「ママ」の役割を離れて「女子会メンバー」という自分軸の役割を持つことができる機会ともなります。

 

8歳男子…子供視点を持ってる人なので、ギター弾きさんと一緒に赤ちゃんにアンパンマンの歌を歌ってあげられるかもしれません。

また、彼が友達を連れてきて、ちょっとした遊び…レゴとか、お絵かきとか、チャンバラごっことか?女の子がくればお人形さんごっことか、髪におリボンをつけることとか?を教えるともなく教えてくれるでしょう。
そこに、ガキ大将集団的な、世代の違う子供の集いができます。
もしもその子達が小学校なり幼稚園なりでいじめられていた時、同じ学年の子供と遊べなくなっても、集団の大きなお兄さんお姉さんに救われることがあるかもしれません。
子供の世代間価値観にもバラけが出るので、誰かがたとえ孤立してしまっても、思いつめてしまう前になんらかのアイディアが誰かから湧いてくる期待ができます。

これは、赤ちゃん達の将来に対して、本物の宝物として機能するはずです。

 

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ここまで役者が揃っていて、みんながそのスキルを提供可能だとしたら(そうじゃ無い場合もよくあるけど)、コミュニティカフェのオーナーがやることは「お店のセッティング」と「飲食物の提供」、あとは例えばレンタルボックスでハンドメイド作家の作品を並べていたりするのならば作家に依頼してコンセプトに合った商品を作ってもらうとか、関わりの中でできる参加を促してみること、くらいかと思います。

 

市役所の人なんかがゲストで来てくれたら最高ですね。
例えば子育て支援機関の職員が「困ったら私のところへ来てください」と、自分たちが何をしている人だか知ってもらえる機会になります。
例えば福祉事務所の職員が様子を見ていて、福祉の手が必要なのに情報が無いために困っている人を見つけて話に乗るとか、利用者に有用な情報(で、役所もそのニーズを把握できることで地域運営に役立てられる)の交換ができるなんてオイシイ。

 

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こういうのがないのに、カフェ主導で地域にはチラシを巻く程度のことしかできないのにイベントを打っても、それはただの思想の啓蒙活動だったり、なんかイベントやりたいだけのカフェ運営側の楽しみなだけだったりするわけです。

 

コミュニティカフェを名乗るなら、自分は「井戸端会議の井戸」に徹するつもりで利用者に活躍の機会をあげて、利用者達の自己肯定感と活動の場の醸成、地域に知った顔がいる楽しさ、そして多様な価値観で出来上がる「逃げ道」や「可能性」をみんなが持てるようになること…そんなことができることに、期待をします。

 

その流れの中で
「あ、カフェのオーナーは自然食に造詣が深くて、出してくれるランチはみんな生産者のわかる食材使ってるんだってさ。面白そうなこと言ってるよ」
ってなれば、運営者がやりたかったことも自然と地域に浸透していかないかな、と思います。

 

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運営したこともないのに「何わかってないこと言ってんの」ってなったら申し訳ありません。
ただ、すごく有名なコミュニティカフェで少し働いた感想が、この考えを作りました。

長い文章にお付き合いいただいてありがとうございますm(_ _)m