DAYDREAM

つまらないことを、つらつらと。

重たいお仕事の存在の軽さ

えっとですね。
激しく長いので結論から。

福祉の世界、特に公的な福祉施設などでは「安い労働者をこき使う」仕組みがまかり通っています。
なり手がいないので、志願すればわりと誰でもなれますが、向いていない人が「これしか雇ってもらえるところ無いし」と入ってくることもあります。

 

そして、その人達には勤まりません。
介護が必要な人に寄り添ったお仕事なんて、できるわけがないんです。
彼らの能力や向き不向きの問題もそうですし、彼らのモチベーションを保っていくだけの運営もされていません。

 

そりゃ犯罪も起きるわよね…。

 

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では、長いやついきます。

 

 

この施設は、神奈川県の「指定管理者」制度によって社会福祉法人かながわ共同会というところが運営しています。
本来は神奈川県の施設です。

 

「指定管理者」という制度、私は詳しくは横浜市のしか知らないので神奈川県が必ずしもそうかはわかりませんが、多分似たようなところです。

 

事業者(この場合神奈川県)が募り、プレゼンを受けて、安くて質の良さそうな運営団体を、点数をつけて選びます。

安さ=質の良さ、にはだいたいならないので、安さを出すためには運営団体は削れるところを削って、その身で質の良い運営を「無理やり」ひねり出します。
具体的には、人件費を削って、安い人員にいい仕事を求めます。
そうでないと「指定管理」の制度のもとにその施設を運営できないからです。

 

指定管理者制度」というのは比較的新しい制度で、その前はこういった公の施設は、自治体そのものか、もしくはそこから派生した財団法人や社会福祉法人(まぁアレです、天下り団体です)がやってました。

 

例えば大手企業などが、自分の経営の中で利益を上げていて、片手間に公の施設を運営しているのならば、働く人の賃金も多少はマシになるかもしれません。
でも、天下り団体はそんなわけにはいきません。他に収益を上げる事業やってませんし。そもそも儲けを考えない自治体などの公の施設ですし、お金の入る仕組みになってない施設です。

 

まぁ、905円のパートも、月収25万円の職員も(テキトーな金額ですが、多分この施設ではベテランの域の人の給料水準でしょう)、

 

同じ仕事を求められます。

 

繰り返します。
同じ仕事を求められます。

 

だって、パートって、すぐ切れるし、安いし、この人材を使わない手はないですもんね♪
最後にハンコ押すのは正社員だけど、パートだからって責任の軽い仕事とかさせてるわけないじゃない?
正社員少ないしさー。正社員だけで回したら回らないしさー。

 

残業?当然させるよね。でも、残業時間が多く上がってきたら知らんぷりして「経営的に良くないから無駄な残業はやめろ」って言うよねー。
そしたら現場はテキトーに残業時間間引いて申告するようになるからねー。

 

…って体質が、多分あると思います。

 

(正社員も地獄ですよこれ…大して貰ってないのに「ちゃんと給料もらって立場も安定した正社員だから」ということで、役職がついてるわけでもなんでもない若手とかでも「通常業務の他に」重たーい責任とパートさん達の管理などを負わなくてはならず、下手すると天下りの理事会とかに引っ張り出されて吊るし上げにされたりとかしたりしてね)←想像です、あくまでも想像です!

 

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26歳の見るからにダメヤンキー方面にダメそうな犯人ですが、写真見る限り全然介護向いてなさそうな彼がそこにいたということは、多分(めっちゃ推論ですが)仕事が長続きせずに「この仕事にしか就けないんだよな…」っていう気持ちでやってたものと思われます。

 

介護の世界は賃金やすくて忙しくて責任重いから、なり手がいないので、就職しやすい面はあると思います。
特に現場では、若い男子の手はめっちゃめちゃ借りたいと思うはずです。
彼が職員だったのか、パートだったのか、あるいはその中間の嘱託職員だったのかは知りませんが…。

 

私も、重度知的障害者授産施設でボランティアをやったことがあります。

そこで働く(というか、昼間過ごしていく)人達には、当然感情も言いたいこともあります。
でも、理性で感情をコントロールする力とか、自分の気持ちを外に出す表現力とかに障害があったりするので、うまく外に出せません。
「あなたのこと大好き!」という表現が、相手の腕にガブッと噛み付く、なんてことにもなります…。
やはりいい歳のおじさんおばさんなのに、シモの世話をしてもらわなければ生きていけません。ご飯は食べこぼします。よだれ垂らします。

しょうがないんです。彼らが不便なのは、彼らにコントロールできる話ではないし、彼らも望んでいなかったはず。

 

…でも、分かっていても、私には続きませんでした。
すんごい力で噛みつかれて、顔面蒼白・めまいと吐き気が襲ってきて(ショック症状を起こしたんですね)帰らざるを得なくなったんです…(^^;;

 

一方で「この仕事は天職!」と言いながらお仕事されてる人もいます。
差別意識とかそういうのではなく、向き不向きがあるんです。

 

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介護って、仕事が無い、社会経験も自信も無い若者が、ただ「ここなら雇ってくれるから」といって雇われて勤まるお仕事ではありません。
向き不向きと、不断の努力と、細かい気遣いによって成り立っているお仕事です。

 

なのに、安く買い叩いてこき使ってポイ、という現状。
何も報われずに期限付きとかで雇われたパート労働の若者が、キレて施設利用者を殺す事件は、川崎の介護老人保健施設(だったか有料老人ホームだったか。あれ正社員じゃないですよね?)でも起こりましたよね。

 

そういう構造があるかもしれない、という目で見ると、この事件の色合いが若干違うように見えてくるかもしれません。

 

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一応元気に暮らしているような私みたいなのでも、事故や病気で体や頭が動かなくなったら障害者です。老人になって不便が出れば要介護となります。
自分が「障害者」になったとき、どんな介護をされるのだろう…?ということを考えると、やっぱり現状は怖いと感じます。
向いていて、技術を身につけて、激務に追われる人達に対して、お金のある要介護者も無い要介護者も、きちんとした報酬が払える仕組み…それって我々も40歳から払わされている「介護保険※」じゃなかったんですか…?

 

※これは「高齢化に伴う障害や病気」に対して存在する保険制度なので、障害福祉になるとまた別なのですが。

 

☆特に障害を持たれている方に対して、不適切だったり、不快だったりする表現があれば、申し訳ありません。現場はこんな感じでした。

 

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