DAYDREAM

つまらないことを、つらつらと。

精神的な障害と「診断されるということ」

リンク先は、タレントのGENKINGが性同一性障害をカミングアウトしたという記事だ。

医師の診断書を示してその事実を明らかにしている。

 

本人は「病気だ」と言っているが、一生治らないお墨付きが出ているようなので「(治療の対象となる)病気」というよりも「(一生付き合う)障害」と言っていいようである。
「障害」というのは、今の社会の中でフツーに生活をするのにはなかなか難しい性質、とでも言えばいいんだと思う。
好きな性別を生きられる社会なら、性同一性障害が「障害」になることは無い。でもそうではないから、生きづらい。

 

精神的な障害は、病巣が見て取れないから「お前の性格がおかしいだけだ」とか「努力が足りないんだ」とか「甘え」とか言われやすい。


例えば、高熱で寝込んでいる人は「怠けてる」とはあまり言われないと思うけど、うつ病の人が寝込んでいると「怠けてる」と言われやすい。
どちらも体がだるくて気力も出なくてとても動ける状態ではないのに。
…そういうのをイメージすると分かりやすい、かな。

 

リンク先記事のこの人は、そういう診断が出ているからには、趣味でやってる女装の人とは違う。
本来の自分を生きられない苦しみを背負っているわけだ。

だから、診断されると、ホッとする。
少なくとも「女みたいにナヨナヨしてる」と謗られるのは間違っている。この人は、本来女性なのだ。
本当のところが外からは見極めづらい苦しさ。それを医学に説明してもらって、やっと謗りを免れるキッカケが掴めたのだから。

 

「なんでも病気だと言ってしまうのには抵抗がある」というコメントが寄せられたそうだけど、お医者さんに保証でもしてもらえないと「障害そのもの+社会からの圧力」で苦しむ人達の心の安寧は保ちづらい。
診断をもらったということは、権威に「見える化」してもらったというだけのことなのだ。

 

そんなところがあることは、フツーに生きてる人には分かりづらいのかもしれない。
生まれながらに女で、性自認も女で、性的対象も男である「女として社会で生きやすいタイプ」の私にも、この人の本当の苦しみなんか分かっちゃいないんだろうと思う。

 

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